今回はカーボローディングが逆効果なものであることについて記事にしていきます。
カーボローディングは長時間の運動やスポーツ、競技においてエネルギーを蓄え、パフォーマンスの低下を防ぐことで行われています。
しかしこのカーボローディングはかえってパフォーマンスを低下させるという、逆効果をもたらしていると考えられるようになりました。
では実際にカーボローディングの何が逆効果で、なぜなのかなどを詳しく見ていきましょう。
Contents
カーボローディングとは?
まずはカーボローディングについてです。
カーボローディングとは長時間の運動やスポーツ、競技などに必要なエネルギー源であるグリコーゲンを、事前に体内に多く蓄えることを言います。
カーボとは炭水化物のことで、要するに糖質のことで、ローディングとは取り込むという意味があり、糖質は体内に取り込まれるとグルコースとなり、血液中に取り込まれ、全身に運ばれエネルギーとなります。
このグルコースは筋肉や肝臓内ではグリコーゲンとしてエネルギー源を蓄えます。
長時間においてパフォーマンスを高めたまま維持するためには、体内にエネルギー源であるグリコーゲンを多く貯蔵する必要があります。
そこでカーボローディングを行うことで、体内に多くのエネルギー源である、グリコーゲンを貯蔵することができます。
カーボローディングのデメリット
カーボローディングでは試合や競技当日に向けて糖質量を増やした食事を行います。
そのため体重の増加、体脂肪の増加を招く恐れがあります。
グリコーゲンは貯蔵される際に浸透圧を保つため、一緒に水分も溜め込みます。
スポーツや競技にもよりますが、マラソンで例えると本番前の急な増量は、本番において体がいつも通りのパフォーマンスを発揮できないという可能性があります。
また仮に2kgの体重が増えたとすると、本番では単純に重りを2kg背負って走るようなものです。その重りからエネルギーを生むことはできますが、これ長時間のパフォーマンスを保つために効果的かというと、必ずしもそうとは言えません。
これがカーボローディングにおけるデメリットや懸念点になります。
長時間のエネルギー源は体脂肪
グリコーゲンは確かにエネルギー源として活躍してくれますが、その貯蔵量には限りがあります。そのため長時間の運動やスポーツ、競技においては枯渇してしまいます。
そこでエネルギー源にはいざという時に蓄えられている体脂肪が有効になります。
体脂肪は1kg当たり7,200kcalという大量のエネルギーを生むことができます。
瞬発的で大きな力を発揮することにはあまり向きませんが、長時間にわたって必要なエネルギーとしては向いています。
このように長時間に渡って必要なエネルギー源はグリコーゲンよりも体脂肪の方が効率的になります。
体脂肪をエネルギーにできる体を作る
体脂肪が長時間のエネルギー源として有効なことは分かりました。
しかし体脂肪をエネルギーに変えることができなければ意味がありません。
これは高糖質な食事を続けると常にエネルギー源として働くものは、グリコーゲンやグルコースとなってしまっていて、体脂肪をエネルギーに変える働きが弱まってしまいます。
そのため試合や競技前に高糖質の食事を続けることによって本番でグルコースやグリコーゲンが無くなった時に体脂肪をエネルギーに変えることができません。
そしてそのタイミングで急激な疲労感や集中力が下がることで、パフォーマンスが一気に低下します。
体脂肪をエネルギーに変える働きが正しく行われているかをチェックする方法に、空腹時の状態によって判断できます。
空腹になっても「お腹が空いたな」と思うくらいで心身共に変化がなければ、それは体脂肪をエネルギーに変えることができている証拠です。
逆にイライラしだしたり、集中力が低下したり、倦怠感に襲われたり、力が出なくなったりする場合は体脂肪をエネルギーに変える働きが低下しています。
当日の食事
試合や競技当日の食事においてはうどんやおにぎりなどの消化が良い糖質の摂取を行います。エネルギーゼリーやバナナなどもおすすめです。
長時間の運動時には体脂肪が有効でしたが、かといってグリコーゲンが不要な訳ではありません。しっかりと糖質を摂取することも大切です。
またクエン酸が含まれる100%果汁ジュースなどの摂取によってエネルギー産生効率も高めてくれます。
ただし当日の食事は開始時間の3時間前までには食事は済ませておきましょう。
まとめ
カーボローディングはエネルギー源となるグリコーゲンの貯蔵量を最大限にする効果はあります。しかしカーボローディングにはデメリットもありますし、長時間の運動時には体脂肪のエネルギー化が効率的でもあります。
ただそれが全てと言う訳ではなく、行うスポーツや競技によっても、エネルギーの適応は変わってはきます。要はベストパフォーマンスを発揮することが1番重要で、それが結果の違いとなって表れます。
カーボローディングがベストパフォーマンスに必要かどうか、今一度確かめる価値はあると思います。