今回はDHAの摂取により
視力低下や男性不妊を防げるという
研究結果が気になったので
記事にしていきます。
よく耳にするDHAですが
それがどんなもので
どんな効果があるのかというところまで
理解している方は意外と少ないものです。
そんなDHAから研究結果までを
見ていきましょう。
Contents
研究結果
DHAが無くなるとと視覚や生殖機能が
失われるということが分かりました。
この研究を行ったのが
国立国際医療研究センター研究所などの
研究チームです。
マウスの実験でこれらを明らかにしました。
この研究結果を米科学誌である
ジャーナル・オブ・
バイオロジカル・ケミストリー
に発表しました。
DHAとは?
DHAとはドコサヘキサエン酸の略称です。
マグロやサバ、イワシなどの
青魚に多く含まれます。
DHAは脂質を作る成分の脂肪酸です。
脂肪酸は常温で固まりやすい
飽和脂肪酸と
常温で固まりにくい
不飽和脂肪酸の2つに分類されます。
DHAは不飽和脂肪酸に分類されます。
また体内での合成が出来ないため
必須脂肪酸になります。
ですので食事からの摂取が必要です。
今まで謎であったDHA
我々の体や動物の体を作る細胞には
外側を包む細胞膜があります。
その内側にはミトコンドリアやゴルジ体など
細胞小器官があります。
細胞小器官にも膜があります。
この膜はリン脂質という脂質が
集まってできています。
DHAが多く含んだリン脂質は
眼球内の視細胞や精子の膜に
多く存在します。
ですが今まではこの膜に関する
DHAの働きというものが
謎に包まれていました。
DHAがないとどうなるか
研究チームはDHAを含む細胞膜を
作ることが出来ないマウスを作製し
そのマウスが視細胞や精子に
どのような影響が出るのかを調べました。
視細胞への影響
網膜では目に入った光を
電気信号に変える視細胞の
一部の形が崩れていることが
実験によりわかりました。
光を当てても電気信号が発生せずに
無反応でほぼ視力を失っているような
状態でありました。
この結果を受けて研究チームは
DHAを含むリン脂質は
他のリン脂質よりも軟らかく
その軟らかさが視細胞の形を
維持するのに適しているのではないか、
と分析しました。
精子への影響
精子は採取したうちの90%が
奇形でありました。
先端に余分な物質が付着し
卵子に侵入するための部分が
折れ曲がっていました。
また5匹のマウスについて
人工授精を行ったところ
全て失敗しました。
この原因としてDHAのが含まれる膜の
軟らかさが影響していると考えられます。
膜から精子を切り離す際に
余分な物を除去できる
軟らかさが必要です。
DHAを含まない膜には
これが正常に出来なくなるために
不妊を伴う奇形の精子になります。
今後の研究
研究チームは今後の研究で
DHAを補うことや
DHAを含む膜となる為の構成要素になる
LPAAT3という酵素に関わる
遺伝子を調整することが
視覚機能や生殖機能を改善したりする
治療方法の開発や研究を
進めていきたいとしています。
★Let’s Shape Up★